なんとも堅いタイトルにしてしまいました。
ファッションの売上は、ネットでの販売が急激に伸びてきて、リアル店舗での売り上げは厳しいものがあります。
ネット販売がこの先大きく伸びていくと、リアル店舗で働く私たちの職場が減少してしまうのではないかと思うこともあります。
私はこのリアル店舗と、短期間ですが、ネット販売の両方を経験して、どちらの方法も長所短所がありますが、ファッションの人気がさらに高まり、いろんなおしゃれが手軽に出来るようになるのはとてもいいことであると思いました。
しかし、どちらの方法でも、はやりファッションの販売は、人と人がつながっているものであり、その重要性は変わらないと思っています。
今回は、リアル店舗でのこの重要性を、おしゃれMs.からも覚書のような内容ですが、お話ししようと思いました。
ファッションの仕事に興味あるからやってみたいなぁ、今、進行形だけどちょっと悩んでるとかいう方にも時間あれば読んでみていただけたらと思っています。
そして、筆者も含め、どんな状況になっても、プロ意識を持って、ファッションの仕事に関わっていけたらと思っています。
ファッション販売員の一日の作業
配属されたお店、または任されたスペースを管理、把握する。
ファッション販売員の仕事は衣料をただ売るだけではありません。
お客さまを迎え入れる準備、心地よいスペース作り、ここで次も買いたいと思ってもらえるような清潔感のある売り場を日々安定して保ち続けるのは、簡単ではないのです。
まずは、接客と同じく重要な一日の作業の流れを見てみましょう。
売り場の状況、販売体制は、自分の所属する会社によってさまざまですが、今の自分の働く環境とは違っていても、こういうこともするんだぁと思って読んでください。
① 申し送り
この申し送りはとても大事な内容です。
口頭での申し送りが出来ない時は、ノートに伝達しなければいけないことを書き、それを読んで確認する方法でも大丈夫です。しっかり把握しましょう。
お客様との約束事。伝えなければいけない前日の内容、当日の仕事内容。ショップのスタッフ全員が承知しているかそうでないかで、売り上げにも影響します。
昨日来店されたお客様が、その日休みだったスタッフが翌日担当しても、お待ちしてました!と笑顔でお迎え出来るのか、それともお客さまに昨日のくだりから説明してもらうのか、どちらがスムーズにお客様をお迎え出来て喜んでもらえるのか、違いははっきり出ます。
毎日同じ内容だからとかと、軽く受け止めないようにしましょう。
② 売り場の清掃。
開店前の基本の清掃は、当たり前のことなので省略。
注意点は、商品の大敵はほこりです。棚ものの商品には、その商品が触られていなくても、ほこりは溜まっています。
商品の畳み直しをすることで、商品の状態も確認が出来、商品の汚れ、傷も見つけることが出来ます。
ミラー、ガラス棚、ドアノブ、ウィンドウに付いた汚れは常時見つけ次第落とす。
③ 陳列している商品の点検。
ハンガー吊りしている商品の点検。肩がずれているものは即直す、ファスナーが開いているもは閉める。商品の型崩れ防止になります。
ディスプレーの商品の点検も忘れずに。意外と見落としているスペースです。
乱れた商品の陳列は、商品の価値を下げます。セール時や、混雑時はなかなか直せないかもしれません。営業中に注意してほしいのは、お客さまが触った商品をすぐに直すことだけは避けましょう、その場所を離れられてから直すようにしましょう。
④ 在庫の確認
習慣付けると、仕事に入る前にストックの商品をぐるっと見渡すだけでも、前日までの商品の動向、在庫の確認は出来るようになります。
スタッフに聞く前に、納品があったんだな、返品があったんだな…と。と、分かれば、時間ある時に、納品した商品の確認、返品した商品の確認を伝票見ながらチェック出来ますね。
⑤ 店頭の商品の確認。
新しい商品の素材が何で構成されているか、他にも、どんなデザイン、どんなサイズ感なのかは、要チェックです。商品のメンテナンス方法もわかります。
この素材を確認する作業は、お客さまとの接客トークの中でも生かされます。自分が自信をもっておすすめする商品の素材を、比率まで覚えることは出来なくてもどういう素材なのか、どういうメンテナンスをすればいいのかを把握してすぐにお伝えできれば、信頼関係を高められます。
細かい作業なので、お客さまがいない時間帯、待機姿勢の間などにコツコツ進めていきましょう。スタッフがじっとショップの中で立っているのは、お客さまは入りにくいものです。こういう作業でも動的な待機を作れます。
⑥ 売れている商品の把握。
自分が出勤していない日の、売れた内容も把握し、接客トークに生かす。
冷静な商品動向分析をすることが出来ます。自分はこの商品が得意でよく売っているが、ショップ全体では、どうなのか。売り筋の把握を冷静に行う。
自分の中では、売れ筋と思っていなかった商品が売れていれば、どこかに苦手意識があるのかもしれません。どうすればスムーズにアプローチ出来るのか、見直すことも出来ますね。
⑦ 売れた商品の補充。
この作業は、売り筋作りにつながります。売れている商品をストックがあるのにも関わらず、店頭出しを忘れてしまっていたりすると、その商品の動きはそこでいったん止まります。売れている商品に勢いをつけさせるためにも、補充作業は大切です。
補充作業をしていると、日中の商品在庫の把握も出来、接客トークの無駄も省けます。事前にこの商品はもう既に、この色、このサイズは完売していることがわかっていると、接客時にもスムーズに伝えられます。お客さまに在庫のない商品を長々と説明しても、がっかりさせてしまうだけですね。
⑧ 納品、返品作業。
この作業は本当に大変です。倉庫やストックで出来れば安心ですが、もしも店頭で行う場合は出来るだけお客さまのいない時間帯、いない場所で行うのがベストです。
地味な作業ですが、私はこの納品作業が好きでした(笑)。ワクワクしながらいち早く商品を見ることが出来、商品の内容、価格をチェックすることが出来ます。
余談ですが、返品する時も、いつものように慎重に商品を扱いましょう。商品に対する畏敬の念を忘れがちになる時です。私たちの大好きな商品です。売れていても売れなくても同じですね。
⑨ 備品の確認、補充。
商品が売れた時の梱包材料、ショッピングバックなど、品切れになる前にチェックしておきましょう。また、入金時や事務作業に使う伝票類も事前にチェックです。
また、レジ回り、商品を広げたり、包んだりするカウンター回りは、常に整理整頓しておきましょう。
この確認、接客に関係ないようですが、スムーズな接客を行うためには必要です。
⑩ 申し送り 引き継ぐ作業の確認
当日に生じたお客さまとのお約束事、営業中に発生した連絡事項、注意事項や反省点、また小さくても喜ばしい出来ごとなど、悪いこともいいことも含めて明日へのプラスになるように、翌日、引き継がなければいけないことを再チェックする習慣をつける。
どれもほんとに地味な作業ですが、すべて有益な作業であり、無駄なことはひとつもないと思います。
接客の他に、こんな作業があるのかと思われたかもしれませんが、細分化していくとこの内容では簡単すぎるかもしれません。
しかし、習慣化すれば、すべて接客につながっているんだと感じてもらえると思います。
ファッション販売は、実はまだこの他にも、販売計画、商品発注、顧客管理、販売促進 人事管理という仕事があります。カッコよく聞こえますが、まずやらなければいけない一番大事なことは、現場を知る、ショップの動きを熟知するということだと思っています。
すべては、笑顔でお客さまがショップを出て行かれるのを見届けるために
次回は、ファッション販売の接客について お話ししていきたいと思います。