ゲストへ声をかけるタイミング①
いつものいらっしゃいませに代わる”いらっしゃいませ”
お客さまが入店すると、まずは「いらっしゃいませ」とお声をかけます。
その「いらっしゃいませ」、義務的に発していませんか。
なぜそうなるのかは簡単です。お客さまの顔が見えていないからです。まずはお客さまの姿を確認してこの「いらっしゃいませ」を言ってみる。そうすると、たぶん、そのお客さまに合わせて、声の調子を変えていけるはずです。
初めて訪れるお客さまには、びっくりさせたり、緊張させたりしないように、優しいトーンでいらっしゃいませ
顧客や、2回目以降の来店でリラックスしてお店を訪れてくれているお客さまには、元気なトーンでいらっしゃいませ
誰に対しても感情の入っていない一律の「いらっしゃいませ」ではなく、お客さまの気持ちに沿うような最初の挨拶が出来るように考えながら話すことが大事です。
このいらっしゃいませをいうタイミングは
もうわかると思いますが、いらっしゃいませはお客さまのお顔を見ながら言えば大丈夫です。お客さまの顔も見ずに、お客さまのいない方に向って、言うのは、それを見ているお客さまにとっては「?」であり、そのショップへの期待度を下げてしまうことにもなってしまいます。
これからのファッション販売員は「いらっしゃいませ」をもっと大事な、素敵な言葉に変えていきましょう。
ゲストへ声をかけるタイミング②
何かお探しですか?を言うより、どうぞゆっくりご覧くださいませ
いらっしゃいませの次のアプローチをしたい時、そのお客さまの様子からどんなお声がけがいいのかを察する。
「新作も入っております、どうぞゆっくりご覧くださいませ」
「(天候のことなどを話題にしながら、)雨が降る中、ご来店ありがとうございます、どうぞゆっくりご覧くださいませ」
「何かありましたらなんでもおっしゃってくださいね、どうぞゆっくりご覧くださいませ」
と、お声がけしていったん下がる。
お客さまの様子が確認出来る距離まで下がり、いつでも対応できるようにする。この間も決して笑顔は忘れない、よく見られるのが、お客さまと話している間は笑顔、見られていない時は無表情になること。
PART2でもお話ししましたが、ショップにいる時は、極力笑顔です。
ここの解説もとても長く思われるかもしれませんが、この最初のアプローチの良しあしで、次のアプローチへスムーズに進めるかどうかの分かれ道です(笑)
お客さまはとても敏感に私たちのアプローチを感じ取ります。
自由に見たいお客さまや緊張して見ているお客さまに、ほんとにゆっくり見させてくれるな、居心地いいな、ショップの雰囲気いいなと思ってもらえたら、お客さまの方から、質問してくださったり、スタッフの話を快く聞いてくださったりもします。
まずは自分がお客さまの立場だったら、初めて見に入ったショップのスタッフから、義務的に矢継ぎ早に声をかけられたらどう思うかなと想像してみるとわかると思います。
ゲストへ声をかけるタイミング③
動きが止まって気になっている様子、触ってみる様子、探されている様子の方には
その気になっている商品の特徴、おすすめする点を述べてみる。
そして、このあたりから、何かお探しでしたか?とも訪ねても お客さまにとって聞き入れやすいタイミングとなってきます。
お客さまのお話の内容によっては、どんな商品を、いつ必要で、何のためにを伺いましょう。
例えば、お客さまご本人のものであれば、その方との会話のやりとりの中で、お好きなものを選べます。
贈り物であれば、サイズ、お好みのデザイン、色、素材、いつ頃贈られるのか(在庫がなければ取り寄せも可能であるのか、その当日の在庫の中で決めなければならないか)、ご予算などを最初に伺う必要がありますね。
まずはお客さまの話を伺う
経験を積んでくると、お客さまと最初に合って、すぐにこの方はこういうスタイル、こういうコーディネイトが似合うと判断出来るようになります。しかし、その判断を接客トークの中で前面に出さないようにしましょう。
お客さまが似合うものと欲しいものとは、必ずしも毎回同じではないことを認識する。
今回はどんなアイテム、どんなデザインが欲しいのかを読み取る。読み取るとはおかしな表現かもしれません。
しかし、お客さまは毎回100%自分の気持ちを話すことはしません。3割か4割をまず話してくれたらありがたいと思います。それは自分がお客さまの立場になって考えてみてもわかります。
言葉に出さないけれども、ほんとはこういうタイプを着てみたい、買いたいと思っていらっしゃるんだろうなぁと察する。
それには、まずはお客さまのお話しを伺う。その姿勢を大事にしていくといいと思います。
その姿勢は、お客さまとの信頼関係を築き上げていくことにもつながります。
ベテランでも、新人でも、私の好みの内容をよく聞いてくれる販売員さんに出会うと、この人はほんとにおしゃれが好きなんだなって、なぜか私は思います。聞きながら、頭の中でくるくるといろんなコーディネイトやいろんなイメージを考えていけるように、聞いてくれてるんだなと思ってしまいます。
お好きなものが見つかった、似合いそうなものが見つかったら、次は鏡の前でお顔映りと着た時のイメージを確認していただきましょう。そして試着へと進めましょう。(お客さまが必要でないと言われない限りは、ご試着可能なものは必ずおすすめしましょう。)
丁寧なアプローチは、お客さまとの距離を縮め、お客さまのニーズや、お好みを知ることが出来ます。
次の段階で、楽しんで、ご試着に入っていただいたり、さらに深めたコーディネイトアドバイスが出来ると嬉しいですね。
次回は一緒にコーディネイトを悩むです。